消費者運動「鯨類に感謝 @ Thanks Cetacea」 【くじらの消費者運動】

【鯨類食文化の理解促進】 捕鯨と「いるか漁業」。東京の鯨食人口は1割以上いるとされます。小型鯨類(いるか類)は、岩手、秋田、山形、福島、茨城、千葉、神奈川、静岡、山梨、和歌山、沖縄等の県内の地域での伝統食です。

2020年・今季前半の捕鯨(2月まえから7月あとまで)

(この記事は、「くじらの消費者運動」の見解では無く、捕鯨ファンでもある当方「鯨類に感謝」が、今季前半(2020年2月まえから同年7月すぎまで)の捕鯨のニュース記事などをまとめたものです。)

(2020年7月31日と8月2日に「7月29日に帰港」と「千葉沖のツチクジラ捕鯨 」を加筆しました。)

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歌川国芳「日本名産尽」(佐賀県唐津市呼子の古式捕鯨での解体のようす)


今季前半(2020年2月~7月)の捕鯨

今季前半は、鯨肉(の一部)がお求めやすい価格となっている場合があるようです。コロナによる外食不況で、鯨肉の競りの価格が下がったようです。消費者にはお得な場合がある状態となりました。でも、捕鯨会社の経営が持たない(民間の捕鯨業がなかなか自立できない)です。そこで、大手捕鯨会社が、1年以内(来年6月位かな?)までに「鯨肉を25%値上げ」することを宣言しました。それくらいの値下がりとなっています。つまり消費者にとっては「鯨肉は今が買い!」という状態となっています。

捕鯨母船「日新丸」の捕鯨船団の沖合捕鯨の1回目の操業

日本のEEZ内の南東の海域で初操業。EEZ内の南東の海域(小笠原諸島のはるか沖)という「未知の海」とのことでした。結果は計画は17頭の所、20頭のニタリクジラ(100トン~200トン位)を捕獲したそうです。新たな漁場の開拓(試験操業)といった感じでございましょう。

 

2020/02/24 捕鯨母船「日新丸」、下関を出港 日本のEEZで操業へ:朝日新聞デジタル

www.asahi.com

 

2020/03/28 ニタリクジラ20頭捕獲 下関に商業捕鯨船帰港 : ニュース : 山口 : 地域 : ニュース : 読売新聞オンライン

www.yomiuri.co.jp

 

沿岸小型捕鯨の東北ラウンド(ミンク鯨) 

鮎川沖は不漁、八戸沖は大漁。ミンククジラの移動が予想よりも早かったのかしら。

4月中旬の鮎川ラウンド

約32年ぶりの鮎川浜宮城県石巻市)での商業捕鯨となりました。ミンククジラ数頭が水揚げされたようです。時期が前もって定められており、東日本大震災の大津波被害からの復興のセレモニー的な要素(現地を元気にする)があったのでしょう。残念ながら獲物が少なかったのか、千葉と和歌山の各捕鯨船は、1週間ほどで次の拠点港の青森県の八戸へ移動せざるを得ませんでした。1970年代頃の昔、商業捕鯨モラトリアムが始まる前の鮎川港では、現地の捕鯨会社がミンククジラ漁をしていました。今季の鮎川沖は不漁でしたが、漁は水物。次回の鮎川ラウンドは本格的な操業ができるよう獲物ミンククジラが沢山回遊してて欲しいものです。

 

2020/04/05 鮎川拠点 捕鯨船3隻、準備万端 きょう出港へ | 石巻かほく | 河北新報オンラインニュース

www.kahoku.co.jp

 

2020/04/12 商業捕鯨、鮎川水揚げ32年ぶり ミンク3頭 あす店頭へ | 石巻かほく | 河北新報オンラインニュース

www.kahoku.co.jp

 

2020/04/14 商業捕鯨石巻・鮎川で32年ぶり水揚げ 初競り好調 | 河北新報オンラインニュース

www.kahoku.co.jp


4月後半からの八戸ラウンド

ミンククジラの北上に合わせ、八戸拠点での捕鯨が4月下旬からはじまりました。宮城県石巻市の鮎川沖では不漁だったので、八戸沖では成功して欲しかったところ、ミンククジラの餌生物のオキアミの北上が八戸が拠点でちょうどよい感じに。漁期を延長し、6月23日までに47頭捕獲でき、計画通りの大漁となりました。

 

2020/04/17 デーリー東北「商業捕鯨船が八戸港入り 漁は20日スタート」

www.daily-tohoku.news

 

2020/04/24 東奥日報「ミンククジラ初水揚げ 八戸港拠点商業捕鯨

www.youtube.com

 

2020/04/25 朝日新聞「数十年ぶり、八戸港にミンククジラ 漁師「大物狙った」」

www.asahi.com

 

2020年5月1日 東奥日報「八戸でクジラ解体/商業捕鯨再開後初めて」

www.toonippo.co.jp


2020年6月24日 東奥日報「クジラ47頭捕獲/八戸港拠点の漁終了」

www.toonippo.co.jp

 

捕鯨母船「日新丸」の捕鯨船団の沖合捕鯨の2回目の操業(本格操業)

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調査捕鯨のころの捕鯨母船「日新丸」。老朽化し、2-3年程で、新船に切り替える必要が生じています。


国産主力ニタリクジラが、どうぞ豊漁/大漁でありますように。捕鯨船団は長期の出漁に出かけました。房総半島のはるか沖から三陸のはるか沖での操業のようです。7月下旬頃まで操業が続きました。

 

2020/05/26 みなと新聞「捕鯨母船「日新丸」が下関港出港/枠150頭で三陸沖などニタリ狙い」

https://www.minato-yamaguchi.co.jp/minato/e-minato/articles/101860

7月29日に帰港

2020/07/29 商業捕鯨母船「日新丸」が下関に帰港 ニタリクジラ124頭捕獲:山口:毎日新聞

mainichi.jp

 

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20200729 商業捕鯨 120頭余捕獲し帰港|NHK 山口県のニュース

次回は9月末に出港し、三陸沖から北海道東沖にかけて約2カ月操業する予定となっています。(この操業(3度目の長期航海)は、「2020年の今季後半の捕鯨」(仮タイトル)のブログ記事に譲ります。)

 

上記の単純な計算(ほぼ算数)では、歩留悪かった時期より格段に向上したようで、これは、コロナ禍の外食不況下においては、地味ながら素晴らしい成果かもしれません。

 

千葉沖のツチクジラ捕鯨

6/30に漁を開始しましたが、梅雨の長雨で7/19まで出漁できず、3週間後の7/21にようやく出漁し、銚子沖でツチクジラ1頭目を初漁。お手柄は、和歌山の太地町漁協の小型捕鯨船「第7勝丸」でした。以後、7/22にも2頭捕れたようです。捕獲枠(捕獲最大許可数)は26頭となっております。

7月末日現在でツチクジラ5頭得ました。消費者からは美味しいと好評の声も出ています。

今季の和田浦の操業(1回目)は最長で8月10日までとなっており、得意先に最低限の鯨国供給ができたら、一日も早く網走(北海道)に行き、ミンククジラ漁のノルマをこなしたいようです。

 

千葉沖(和田浦発着)の捕鯨は、6月30日から開始ですが、梅雨の長雨で7月19日までの3週間は出漁できず、初出漁初漁(そのシーズン(季節)の初めての漁獲)も7/20です。でも梅雨が明けて無いので、順調には出漁できず、関東地方の梅雨が明けたのは8/1です。

千葉沖でツチクジラが捕れ始めたので、現地の顧客(お得意先)へ必要量を供給することにし、7月後半の室蘭ミンククジラ漁は行えず、最長8/10まで千葉・和田浦で行いたいようですが、天候次第で8/10を待たずに、北海道・網走へ出発するかもしれない情勢です。

つまり、8月から釧路や網走での北海道ラウンド(ミンククジラ+ツチクジラ)になることは確定しています。

 

千葉の捕鯨会社は、「業界は、ミンククジラ捕獲枠の増枠を陳情しており、枠の未消化は避けたいので、早めに北海道のミンククジラ操業へ行く」との意をブログに書いておられます。( http://gaibouhogei.blog107.fc2.com/blog-entry-1143.html )

沿岸小型捕鯨業界が生き残るには、人気商品をなるべくたくさん生産することが必要不可欠なので、当面は、ミンククジラ優先となる戦略でしょう。

つごうよく天候に恵まれ、ツチクジラの漁獲が得られれば、沿岸小型捕鯨捕鯨船が余裕を持ったスケジュールで動けますが、3週間も長雨で出漁できないように、漁は水物。どうぞご幸運を祈ります。そして、ご安全に。

(千葉沖ツチクジラ漁の話は、「2020年今季後半の捕鯨」(仮タイトル)のブログ記事に譲ります。)

 

2020年7月22日 毎日新聞「体長10メートル、クジラ初水揚げ 千葉・南房総

mainichi.jp

 

20200721 千葉日報「ツチクジラ初水揚げ 地域住民、解体作業見守る 南房総市の和田漁港」

www.chibanippo.co.jp


室蘭での捕鯨再開の協議まとまる

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2020年7月18日 午前8時45分頃の北海道の室蘭市のチキウ岬(地球岬)。この海18キロ以上沖は、ミンククジラ捕鯨の新しい漁場となっております。ホエールウォッチング業と住み分けが行われました。


今年5月25日頃に
「現地と協議中」とのニュースが流れ、その後、室蘭捕鯨を実現させることが決まりました。室蘭が捕鯨基地として数十年ぶりに復活することが決まりました。北海道では、数年前、調査捕鯨から商業捕鯨への切り替えが図られていた頃に、函館の捕鯨基地が(ツチクジラ10頭程度の捕獲枠だからか)廃止となり、北海道は2つの捕鯨基地があるだけになっていましたが、今回の合意で、数年前までの「北海道内に3か所」という状態に戻りました。

 

2020/5/25 日経「室蘭で70年ぶり商業捕鯨再開へ、6月にも漁協と合意」

www.nikkei.com

 

2020/06/10 NHK室蘭市 追直漁港・商業 捕鯨の 新拠点に決定」

www.youtube.com

 

2020/6/15 日経「室蘭で70年ぶり商業捕鯨再開、地元漁協と合意」

www.nikkei.com

 

国際捕鯨委総会を1年延期 コロナ影響

日本国は、IWC 国際捕鯨委員会を脱退(条約から脱退)し、オブザーバーという形での参加をする方針となっています。日本は、国際捕鯨員会の予算の1/10を拠出する加盟国でありましたが、今後は拠出しないので、予算不足となったIWCの加盟国、特に反捕鯨国が、日本の復帰を要望することがあるかも、との観測もあるようです。

 

2020/05/25 国際捕鯨委総会を1年延期 コロナ影響、日本脱退後初:東京新聞 TOKYO Web

www.tokyo-np.co.jp

 

編集後記:この記事は、「今季の捕鯨の前半戦まとめ」です。前半戦で特記すべき事項が出れば、適宜、この記事に加筆します。

千葉・和田浦での捕鯨は、「2020年・今季前半の捕鯨」のブログ記事には、7月末までのようすを書きました。「2020年・今季後半の捕鯨」(仮タイトル)のブログ記事には、千葉・和田浦での捕鯨の全てを書きます。

他の操業は、8月以降の開始ですので、「2020年・今季後半の捕鯨」(仮タイトル)のブログ記事に書かれることとなります。

 

みなさま、ご安全に。そして、ご豊漁を。